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2014年10月15日 厚労省での記者会見

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2014年10月15日 厚労省での記者会見

内海

始めてもよろしいですか。今日はお集まりいただきましてありがとうございます。私は、御徒町の方で、Tokyo DD Clinic と、NPO法人薬害研究センターというNPOをやっております、内海と申します。

今日は改めましてよろしくお願いいたします。

本日、私たちは、児童相談所の問題にとりくんでいるんですけれども、その問題がなかなか認知されないということと、非常に人権の問題や法的な問題を抱えているということに憂慮しておりまして、それを改善するという目的で、本日9時半に法務省の方に、本日10時に厚生労働省の方に、お手元にもあると思いますけれども、『児童相談所改善のための要望書』というふうなものを提出させていただきました。これは陳情という形に一応なりますので、後日、また、厚生労働省の方を主体にして、交渉の方も進めていきたいというふうには思っております。本日、そのことの報告という形で、記者クラブの方で、記者会見をさせていただいて、この後、どういう風な問題があるのかをお話しさせていただきたいと思います。

 

お隣にいらっしゃるのは、京都の方で、この問題に取り組んでいらっしゃる弁護士さんで、南出喜久治先生になります。よろしくお願いします。

あと、私が説明した後に、具体的な法的な問題とか、どのような事例とか案件があるのかというふうなお話を、具体的に南出先生にお話ししていただきたいと思います。

あと、要望書に連名で、お名前を、釣部さんと甲斐さんがいらっしゃるんですけれども、釣部さんと、甲斐さんは、ソファの方で、後ろで控えていただいているお二人でございます。

 

ごく簡単に説明します。児童相談所は色々な問題を抱えているんですけれども、今回の児童相談所の改善の要望書には、①管轄官庁が非常に不明確である、②親権者の同意にまったく基づかないで、一時保護というのがされるんですけれど、僕たちは、これは拉致ではないかといっているくらい、非常に法律的な問題を抱えています。その具体的なお話は、後で先生にしていただきますけれども、そういう問題を抱えているという件。③面会が一切途絶されてしまう、そういう問題を抱えているという件。④一時保護されたり、施設入所している時に、親権者に全く同意がないままに、薬物投与が平気でされていると、そういう問題。⑤お金ですね、保護単価の問題などを非常に抱えている。これも、この児童虐待を、逆に、防げない形態になっていると。そういう件。⑥家庭裁判所などと児童相談所が独立性を保てていないという件。⑦児童相談所自体の専門性が著しく低い。そういう件などについて、是非、改善していただきたいということで、要望書を提出しました。

本日は、この後、1時からは、フリーのジャーナリストの方とか外国の特派員の方々も参加できるような記者会見もおこなう予定で、この問題をできるだけ認知・啓蒙していきたいというふうに考えておりますので、できれば、できるだけ公正な報道にご参加いただけますよう、よろしくお願いしたいと思います。

これから、南出先生に、具体的にどういう問題があるのかということを話していただこうと思いますので、南出先生、よろしくお願いいたします。

 

南出

紹介いただいた京都の弁護士の南出というものです。お手元の連名のトップに書いてあるのが私の名前です。お時間の関係もあるので、この要望書の中に、ほぼ問題点は尽きているんですけれども、ここでちょっとお話ししたいのは、3つお話ししたいと思います。

1つは法的な問題、つまり、一時保護制度、とくに、一時保護制度の法的な問題があるというのが1つ。

2番目としては、保護単価ということが出ましたが、予算制度、児童相談所を運営する予算制度に大きな問題があるということが1つ。2つ目ね。

3つ目は、施設内虐待。つまり施設内で虐待がおこなわれている。その虐待の最たるものが、薬物、向精神薬の投与というところに尽きると思うんですけれども、殴る、けるというのはむしろかわいいもので、むしろ、食事に混ぜ込んだり、あるいは無理やりに投与したりするようなケース。つまり暴れないようにする、反抗しないようにする、そして、施設内で管理をしやすいようにするということが問題です。その3つを若干お話ししたいと思います。

 

まず、第1点目の法的な問題があるというのは、そもそも児童福祉法という法律ができたのは、昭和22年、つまり、GHQの占領下で生まれています。これはどういうためにできたかというと、いわゆる、戦争孤児だとか浮浪児とか、そういう子どもたちを保護しようということで、児童相談所の所長が必要と認める場合は、保護ができる。この場合は緊急性があれば、別に、親とか子どもの同意が無くてもできるんですけれども、できるというように運用されてきたんですけれども、現在ではこれが全く逆転運用、つまり原則としていらない、同意が取れればそれに越したことはない、というような運用がされています。昔はそういう形でね、2カ月も、これ、2カ月間ですよ、一時保護というのは、いきなり、2カ月間なんです。そういう戦争孤児の場合は親がなかなか発見できないとか、浮浪児の場合でも、親との生きはぐれになっていて、なかなかわからないというケースが多かったと思うので、だから2カ月というのは、さほど長いなというようには思わなかったのかもしれないけれども。時代が全く変わりました。日本が独立して、高度経済成長を遂げて、要するに、所得が向上し、生活が安定してくる。そういう状況で、素地となる立法事実というんですけれど、立法事実が全く変わっているのに 同じように運用されている。

実は、これは、ダブルスタンダードでして、翌年、つまり昭和23年、これも 同じように占領下ですけれども、 警察官職務執行法という法律ができています。現在も運用されています。

警察官職務執行法の第3条にも、同じように保護規定があります。泥酔者だとか、いわゆる迷子を保護する。この場合は運用上どうなっているかというと、警察が身柄を確保ずる、拘束するのは24時間に限られています。この24時間を、もし更新しよう、つまり延長しようとする場合は、簡易裁判所の許可を得て、5日間を限度に延長できます。これが諸外国のスタンダードな、いわゆるその、児童を保護する制度です。アメリカでも、まあ、諸外国と比較されたらわかると思いますけれど、全部、極めて短い時間の権限があって、それを更新する場合は、必ず、いわゆる第三者機関、裁判所とかも含めて、第三者機関の関与が、許可が必要になってくる。

ところが、現在の一時保護と称する児童福祉法33条の規定というのは、児童相談所の所長が必要と認める時には一時保護ができるということで、それも2カ月です。2カ月です。それも際限なく、裁判所の許可もなしに、際限なく更新できます。2カ月ずつ更新できます。この更新する制限はありません。だから、日本の制度においても、警察官職務執行法は昭和23年ですから、ある程度混乱から脱出した時代に、いわゆる世界標準的な制度が導入されたんですけれども、その混乱時の児童福祉法の33条、つまり前年の22年、22年と23年は大きく違います。22年にできた制度は、許可も無しに、際限もなく、それも2カ月、それもことばにおいて一時保護といっているんでけれどもね、警察の場合、警察官職務執行法の3条の場合は保護と書いてある。どちらが一時でどちらが保護か考えてみるとね、これ一時保護じゃないですよ。これ中期保護か実際の運用は永久隔離。そういう形で運用されている。ここが一番大きな問題です。

それと一番大きな問題は先ほども指摘されましたように、親の承諾をなしにしている。これは大問題です。同じように警察官職務執行法の2条に職務質問の規定がありますね。職務質問をする事ができると書いてある。それは強制力がないので、署に連行するとか、実質上の逮捕するとかができません。質問者、対象者に対しての同意を得ないと移動できない。あるいは所持品検査をさせてくれと言う場合でも同意がなかったらできない。そういう制度になっています。法律の規定においては、することができるという規定になっている。ところが警職法の3条の保護の場合は、しなければならないと書いてある。

「しなければならない」と「することができる」とは大きく違います。「することができる」というのは任意なんです。 強制力はありません。「しなければならない」というのは強制力があるんです。「同意をなしでもできる」というのが制度なんです。これは判例上、確立している警職法の解釈においては確立しているのですが、児童福祉法の33条の一時保護では、これも「することができる」と書いてあるだけなんです。「しなければならない」とは書いてないんです。そうするとやっぱり、同意がいるんです。ところが同意がいるのに同意が必要でないような逆転運用がされて、現在ほとんど、例えば学校から拉致されて行くというケースになっております。

 

二番目に言った予算制度の問題は、これは警察と比較するとよくわかります。警察の予算というのはね、強制捜査をしようが、任意捜査をしようが、一定の予算内でいわゆる警察は運用されている訳ね。一件あたり、例えば逮捕したり、拘留したりすれば、逮捕の報奨金が当たって予算がなんぼでも拡大するという制度ならば、ものすごい違法逮捕とか捜査権の乱用が起こるんだけれども、予算制度の枠組みと令状主義という、憲法上の令状主義というものがあるので、そうそう警察権力の暴走というのができない制度になっている訳なんです。一番大きな問題は予算制度なんです。まあ令状主義というのは当たり前のことであって、その歯止めをかけるのは予算制度なんです。

ところが、児童福祉法の場合の児童相談所の予算というのはどうなっているかというと、一件拉致すれば、拉致報奨金があたります。拉致報奨金というのは、私の言葉だけれどね。つまり施設の給付金とかいろんな形の中で、1ヵ月だいたい30万から40万あたるんです。1人1ヵ月すれば30万40万という保護単価が加算されていって、予算が組み立てられている訳です。だからやればやるほど児童相談所の権限が増えるし、実績が増えると称して対応できる。そういう予算制度の、いわゆるいくらでも、一時保護を推進するような制度になっているということが、これが大問題なんです。

この児童相談所というのは各地方自治体で設置しているものですので、厚生労働省はそのトータル的な所管をしているわけですけれども、この予算は、地方公共団体での予算にどんどんどんどんと膨らんでいってる。 なおかつ国のほうも、それの補助金を出している。そういう制度の中で、この制度をなんとか、予算から見直さないと大変なことになる。予算制度的にも大変なことになる。そして、いくらでも一時保護を拡大していく、児童相談所には全く権限の制約がないということが大問題。

 

先程の話ですけれども、一時保護とセットになっているのが、親との面会、通信、これ一切全部制限するのが多いんです。一部または全部という制限ができるのですけれども全部制限とは何かといいますと、禁止です。

つまり親と子を隔絶させてしまう。どうしてこれ、隔絶させてしまう必要があるかというと、子供と親を会わせると児童相談所内での施設内虐待とかいろんな処遇の問題において、親に当然こんな事があったあんなことがあったという事を訴えますよね。そして親がそれを知ると、当然児童相談所に対して、クレームをする。そうなってくると児童相談所の運営が非常に混乱する。彼らから見ると混乱してしまう。ということから、完全に会わせないんです。会わせなくて、子どもに何を言うかと言うと、「お前の親はお前をほかしている。面会にも来ないだろう」というような言い方で、子どもにどんどんどんどん洗脳というか、すり込ませて、「自分は親に捨てられたもんなんだ」ということで、抵抗しなくなる。

それでも元気な子は、「なんとか親に会わせてくれ」とか、「親元に返してくれ」とかいいます。そういうことを言うと、施設内で虐待するんです。現に私の事例でも、保護司が、いや保育士が施設内で虐待しているんです。それをひた隠しにしていたんですけれど、ばれてしまって、有罪判決、それも確定しているんです。傷害罪で。にもかかわらず親が虐待していたかどうかも証明されていないのに、ずーっと一時保護を続けます。

つまり、お上は悪をなさないというか、公務員は悪をなさないというような、妙な幻想を持っていて、裁判所も特に家庭裁判所なんかは児童相談所のいわばカーボンコピーのような、言われた通り、例えば28条の措置決定についてもするし、それにさらにその更新もするし、もう裁判所としての役割をなしてないです。

 

だから、そういう制度の中でどんどん運用されていって、施設内の虐待、特に平成12年に、大量に向精神薬が認可されまして、それ以来、どんどんどんどんと普通大人にでも投与するのは、副作用、副反応があって非常に危険なのに、そういうものを、子どもに、いわばその向精神薬のいわば産業廃棄物処理場のような形で運用されている。

これは、外国ではそう言われているんです。日本は向精神薬の産業廃棄物処理場だと。 いくらでも余ったものを、どんどん日本にやって、ワクチンも含めて、そういうふうなものをどんどんやるという、盛り場になっている。それが、本当にいたいけな子どもたちにも、大人ですら、本当に大変な薬害が出てくる物を、物言わない子どもに全部投与する。自発的に飲めって言ったって、飲まないので、食事に混入させる、分からないうちに混入させて、それを投与する。それによって何が起こるかというと反抗しなくなるんです。反抗しなくなるとね、一番管理しやすいわけです。たくさんの収容者をごく少数の人間で管理しようとすると、おとなしくしてくれることが一番大事なわけです。おとなしくしてもらうためには、反抗する人間を反抗抑圧するわけ。殴る蹴ると言うような素朴な方法もひとつの方法かもしれないけれど、一番効果があるのは薬物投与です。それをやっている。児童相談所だけでなくても、それは刑務所だってそうだし、老人ホームだってそうだし、そういうたくさんの人間をごく少数の人間が管理しようという組織は、必ず、こういうところに落ち込んでしまう。ましてや完全にクローズされている、隔絶されている状態では、全くその情報開示請求を出しても一切シャットアウトです。

いったい子どもに何がされているのか、医療情報もストップされて全くクローズされている。これが最大の問題なんです。そういう意味で 早口に3つの問題を言いました。

いわゆる法律上の問題と予算制度、施設内虐待、ということをお話ししました。

 

あとは、もしご質問があれば、この要望書の内容も含めてご質問頂ければと思います。

 

内海:

あと少し補足させていただきますと、具体的にどういう事があるのかっていうのが、なかなかこの問題はわかりづらいので、先生にもちょっと実際の法的案件なんかを後で少しだけお話ししてもらえればと思います。

例えば、僕が医師として関わっている分野とかだと、骨が折れている子どもがいたということで、すごく一生懸命育てているお母さんでも、それで児童相談所に通報されて虐待だというふうに認定されて、それで一時保護を実際されている。要するに、骨が折れている、別に親が折ったわけでもないのに、そういうふうに言われている。

脳出血になった子どもも、同じように、別に子どもが脳出血だというだけで、それで一時保護されて、そのまま全然1年以上会っていない。これも実際裁判決になっています。

他にも、例えば、子どもが小さい。4人の兄弟がいて、2人目だったか、体が小さいというだけで、それで一時保護されて。学校から帰りに、車に無理矢理押し込まれて、それで一時保護されたりとかというケースが具体的にあります。

他にもいろいろありますけれども、そういうケースは後を絶たないという状態になっていて、その問題の母体が、この要望書に出したような話があるということです。

殺人事件でも、こういうことは人権の問題になると思いますけれども、それと同じような背景があって、こういうことが繰り返されているということで、ぜひシステムを見直していただきたいということを私たちは言っているんです。これじゃないと、システムを見直さないと、虐待が本当にされている子どもは救われないというふうな話をしているわけなんです。後は、先生、具体的に何か事案があれば。

 

南出

具体的に、いわゆる名前とか場所っていうと問題があるので一般的な言い方をしますと、先ほどちょっとお話ししましたが、子どもがアザができやすい体質だったケース。ちょっと何か当たると、わぁと青じんだりアザができる。そういう体質があるんです。その子が、子どもですから、だいたい半袖半ズボン。体が、外から見えるようなところにアザがあると、学校はすぐに親の虐待を言うわけです。それは別に転ぶこともあるし、子どもは喧嘩することもあるし、遊んでいてケガすることもある。自分で自損事故的に転ぶこともあって、アザができる場合がある。親としては何もしていないのに、子どもに教師が「親からやられたんか? やられたんか?」と一生懸命聞くと、子どもっていうのは性質からすると、虚言癖が、まあ、だいたいある。あんまり大人がワーワーしつこく言うと、「うん、そんなもんです」とか「そうかもしれません」とか。大人だって、そうことがよくあるんだけど。

子どもは、特に先生から目をつけられて、なんやかんやとこう言われると、迎合してしまう。そうすると、例えば、ご飯を食べていなくても、自分が朝寝坊したから慌てて学校に行った。青白い顔している。そしたら、「ご飯食べてないでしょう?」「食べてない」それで「食べさせてもらってないんでしょ?」「うん」と言いながらね、最後は「食べさせてもらってない」というように言わせてしまう。

そうすると、育児放棄、ネグレクトになってしまう。それで保護してしまう、というようなケースが結構あります。今のアザを作った子どもについても、そうなんですけど、親は全然知らないです。どこでそのアザができたのか分からない。そうすると、その親が学校の先生とそりが合わないような子どもについては、間引き的に児相に虐待通告して拉致してもらうというケースが結構あって、で、拉致されてしまう。

ところが今言ったように、その一時保護所の中で、いわゆる虐待された。(職員が)気に入らんからといって、思いっきりひっぱたいてケガをさせたんです。それが数日後に発覚して。つまり、ひた隠しにしてて、それが、いわばバレたために、親に告白して「すいません」と謝ったんだけれども、これもちゃんと立件されています。本人が認めているので略式起訴されて罰金で、これは刑が確定しているんです。

にもかかわらず、親のほうは虐待したという証明はひとつもないんですよ。先生の方が、あるいは児童相談所が疑っただけなんです。だけど、保護所の中で施設内虐待がはっきりと有罪確定までして、はっきりとしているわけね。にもかかわらず、一時保護を継続するんです。どこに、子どもを置いておいたほうが安全かといったら、一目瞭然じゃないですか。

それを、一時保護をそのまま継続し、そして、どういうことをしているかというと、2カ月ずつ3回ほど更新して、半年後になってから、児童福祉法28条の措置請求。これ、どういうことかというと、児童養護施設に入れるという、親が承諾しないから、家庭裁判所の許可をもらって、施設に入れる、という承認の審判の請求を、家庭裁判所に出して、その承認審判が認められて。家庭裁判所に、全然、チェック機能が無いわけです。それが、措置請求をされると2年間措置されるんです。2年間ですよ、子どもにとって。

これはもう、親元に戻れない状態で、子どもの学習権から何から全部侵害してしまうわけです。それを2年間やったんだけど、ある日、子どもが帰ってきたんです。どうして帰って来たかというと、児童相談所長が替わったんです。替わったら、その新しい児童相談所長が、「こんなケースは絶対に、親に返えさないといけない」と、まともな人間がでてきたわけです。子どもを返したんだけれど、で、これは、はっきり言って、「ああ、よかったな」で終わらない話です。これほど、児童相談所の所長の権限というのは、あまりにも強すぎる、というのが大問題なんですよね。つまり、所長の判断いかんによって、子どもを拉致したり、あるいは、子どもを返したり、そして、いかに証拠もあろうが無かろうが、もうそんなもん、度外視して、その一切合財の権限が児童相談所長に集中しているということがこのケースでわかります。これは、全国的に、そういう権限をもっているわけです。

また、虐待したかどうかもわからないケースにもかかわらず、一時保護し、あるいは措置請求で、児童養護施設に入所させられて、トータル、今これで足掛け8年目の事例もあります。完全に、面会も通信も、完全隔離されている。完全隔離されて、親子が全く面談できない。普通、刑務所でもね、刑に服している人でもね、面会できるんですよ。だけど、いったい 子どもがね、いったい、何を悪いことをした? 逆に言ったら、親から虐待されようが、あるいは、会わしてくれないということが、最大の虐待じゃないですか? この状態を、7年、8年も続ける。それをするだけの何の根拠があるんですか? これって、子どもは何も、悪いことは何もしていないはずですよ。親だってしてるか、してないかわからない。こんな状態で、ずっと8年間です。これ、刑務所以上のひどい待遇だと思いませんか?

こういう問題を、メディアの人が、全然注視せんと、「児童相談所、頑張れ」みたいな、「児童相談所24時間」みたいな。昔は、なんか『ドンキホーテ』みないな、児童相談所をよいしょするようなドラマまで作って。何とかさんとかいう人がね。よくわかるとか、なんとかとか言って。よくわかる児童相談所みたいな解説をしてね、児童相談所をよいしょし過ぎていませんか? これ、こんな権限が今まで、昔の、戦前の予防検束以上の問題です。これ、日没から、日が暮れたら解放せないかん、ごく短期間で拘束できるような、戦前もありましたけれどね。だけど、それ以上の制度ですよ、これが野放しになっているんですよ。諸外国で、こんな例、1つもありません。まあ、ざっとこういうことです。

 

内海

はい、他にも事例があって、本当に何百、このようなケースがあるか、実態が僕らもわからないぐらいで、少なく見積もっても1000件以上はあるんではないかということはだいたいわかってはきています。是非、日本の中でもこのことに関しては、議論が起こればいいなと思って、今回、陳情の運びになったんです。

もし、何かご質問があれば、お受けして、具体的にまだ、いろいろ、お話はできますけど。時間もあるので、そういうことで、話を進めさせていただければと思います。

 

質問者

ひとつ いいですか?今回ご要望されている一時保護の件について、事前に可否の審査について裁判所がもっと司法官僚が関与すべきだという主張かと思うんですけれど、確かに、一時保護については親と児相の間で虐待の認識が食い違う場合もあるかと思うんですけれども。一方では、幼児の深刻な虐待死事件が起こっていて、子どもが、被害を訴えられない、そういう場合に一時保護の緊急性が高い場合に、児相の側が判断してやっているという側面もあるんですが、その点については、どのようにお考えですか?

 

南出

あのね、緊急性がある場合に、すべきだというのは、それは児童福祉法の33条の、いわゆる占領下でできた時代から同じ議論があります。親がいないんだから、当然そうです。親がいないのに、親の承諾を得るということはあり得ない。子どもが餓死寸前の状態になっている。そりゃ、一時保護するの、あたりまえじゃないですか?! これは例外的に補充性の要件といって、当然それは可能なんです。

ところが、今はそうじゃないんです。「虐待」という言葉自体にまやかしがあります。これ、平成12年に児童虐待防止法ができたんだけれど、「虐待」というのは、違法行為か適法行為か? 違法行為であるとするならば、虐待行為というのは、暴行・傷害行為なんです。本来ならば、暴行・傷害というべきところを、「虐待」という言い方をしてしまう。この「虐待」の中に、いろんな、しつけとか体罰だとか、もろもろの合法的に認められた行為まで、「虐待」と称して、子どもが痛みを感じたら、みな虐待だというように、だんだんだんだんと、運用上されてしまっているわけです。

今、ご指摘されたような極端な例というのは、全部刑事事件です。刑事事件であれば、警察が本来ならばやるべきなんです。警察が本来やるべきなんだけれど、警察は予算がないでしょ、そうすると、警察は何をするかというと、予算のある児童相談所の方に、虐待通告するんです。だから、子どもにとって、「虐待」というのは、まさに、暴行・傷害事件なんだから、それを認知すれば、子どもの暴行・傷害事件を警察が動かないと。児童福祉法に基づいて、児童相談所にさせてしまう。虐待通告したらそこで、保護させてしまうということはね、警察が子どもに対する犯罪行為を、放棄しているのと一緒なんですよ、予算制度的に。

だから、みなさんね、報道する時に、虐待だ、虐待だというけれど、はっきりと、暴行、傷害、殺人と言いなさいよ、と言いたい。玉虫色の部分を全部、虐待と称して、取り扱うから、虐待の意味がだんだんだんだんと拡大して、わからなくなってきているんです。だから、新聞報道でされる事件っていうのは、全部、ただ単なる刑事事件やと私ら思っていますよ。それはやっぱり警察が捜査するべきで、立件するべきです。これは、当たり前のことであって、何ら捜査能力もないような児童相談所がやるべき問題ではありません。

で、児童相談所に頑張れ、頑張れっていうのはおかしいじゃないですか。権限もないところに、捜査能力もない人間に、あるいは、そういうプロ中のプロ、その子どもに対する、いろんな対応ができない人がものすごく多いのに、だんだんだんだん、虐待件数が毎年増えているじゃないですか。もし、児童相談所がしっかりしているのなら、虐待件数は減らないとおかしいじゃないですか? 年々増えるってどういうことなんですか? おかしいでしょ?!

 

記者A

それは虐待の通告が、今、一般市民の義務にもなっていまして、虐待に対して、意識が高まっているということもあるんじゃないかと思うんですが、

 

南出

うん。だからそれは確かに、虐待している親っていう言い方はおかしいので、それは、ただ単に、刑事事件として、暴行傷害とか監禁とか、あるいはその、いわゆる保護責任者遺棄罪、そういう嫌疑という趣旨でみればいいじゃないですか。

 

内海

私ども、全国いろいろ行って、そこのところも言っているので、よく聞かれるご質問なので、非常によくわかるんですけれど、今のシステムだと、逆に、本当の意味で虐待されている子どもたちは助からないようになっているというところにポイントがあります。だから、非常にこの問題だけは、正体というか、いろんな問題が見えづらいようになっていることを見えないとわからないということを言っているんです。

その時に、重要な問題は保護単価の問題があると。保護単価の問題があるとどうなるかというと、さきほど言われたように、虐待を本当にされているっていう子どもたちは、基本なかなか、児童相談所では、虐待案件として扱われないという現実があるんです。虐待の有無に関係なく、同じひとりですから、ちょっと言い方悪いですけれど、同じ金づるなので、虐待じゃない人とか、主観によって証拠もなく決められます。そのあと裁判でも一切資料をオープンにしなくても済みます。そうすると虐待じゃない人たちを虐待だというふうに作って、それによって予算を確保する、そういうシステムが普通に成立しているということを指摘しているんです。

だから、実際に、ニュースでも報道でも、虐待をされて亡くなった子どもたちがいたりすると、その子どもたちは、児童相談所をみてもらえればわかりますが、往々にして介入ほとんどしていません。その結果、実際亡くなっているというケースが非常に多いんです。これは、児童相談所が、逆にその子どもたちを親元にすぐ返したりするんです。なんでかというと、お金にならないからです。逆に、クレーマー過ぎる、本当の虐待親だっていうケースもたくさんあるので、児童相談所はその案件を扱いたくないというケースがたくさんあります。

そうではなくて、おとなしく児童相談所に相談に行ったケース、病院からの主観、児童相談所の主観だけで、虐待だと扱われたケース、それらも同じ1つの案件として、お金が落ちてくるようになっているのです。虐待されてない、今の2014年の社会通念でも虐待されてないという子どもたちが「虐待」として扱われて、それで、僕たちの観念でも「虐待」だって、皆さんの観念でも普通に「虐待」だというふうに扱われる子どもたちは、逆に「虐待」だと扱われないようなシステムになっています。ここに二重の罠があるということを僕達は指摘しているんです。

そういう観点で見ないと、この問題というのは非常にわかりづらい、ということを抱えているということが一番大事だと思います。人権の問題としての面会の遮絶とかそういうことは、今の話には含まれてはいませんけれども…。

皆さん、日本中の多くの人たちが、子どもが虐待されているということに対して、当然反対したりとかして、なんとかしたいという、その気持ちはわかります。けれども、このシステムは、それを助長するシステムになっています。防ぐシステムに全くなっていなくて、逆方向なんだということを僕らは指摘しているので、虐待を促進したいとか、何でも厳しく子どもを、ということだけで言っているわけではありません。そうではなくて、私は医療的な人間としては、さっき言ったように病院とかで、別に全く虐待も何もされていないのに、虐待されているとかって扱っているとかが問題なのです。

簡単にいうと、殺人の袴田事件とかいろいろありますが、あれと構造上同じなんです。それが何件も何十件も何百件もあります。でも、それは全く無視されているという現状を僕達は憂いています。そういう話になると思います。

僕も、南出先生と一緒にこの児童相談所の問題については著書も書いてあります。その中身が、この要望書にも非常に近いわけですけれども、詳しく知りたければ、そちらを読んでもらえればいいのかもしれません。この問題は、本当に二重三重に法的な問題があって、非常にわかりづらい構造になっているということは確かだと思います。もし、何か追加でご質問があれば、どうぞしていただいてもいいと思います。

 

南出

今、憂慮している事態があるのはね。今、「虐待110番」的にダイヤルで全国的にやってますよね。虐待を通告させるようなシステムになっています。その時のアナウンスが、昔はね「虐待を発見したら連絡してください」という程度でしたが、現在どうかというと、「子育てに疲れた人とかね、あるいは育児する意思を失った人もご相談ください」という言い方をしているのです。これはどういうことかというと、児童相談所と子ども、体裁のいい形での「子捨て」する親、つまり、子どもを育てたくない、お金もかかるし、それから、生活も困窮してるから、もう子どもは本当は要らないけれども、要らないと言えないから、児童相談所に相談して、虐待したかのごとく、つまり、ご飯が少ないから、食べる物は少ないから、これは育児放棄、ネグレクトになりますが、ネグレクトされたということで、児童相談所もそのほうが1件として保護単価として上がるわけです。

親の方も生活費というか食費いらないわけです。一時保護されてしまうと。そうすると親の方も子どもをほかしたいという親の方も助かります。児童相談所のほうもそれで予算が増えます。こういう、つまり、子どもを返せ、拉致されたから子どもを返せという親が極々少数派になってきて、多数派は、子どもをどんどんどんどんと児童相談所に預けることによって、自分らも助かる、児童相談所も助かる、WIN&WIN(ウィンウィン)の関係になるということが一番恐ろしいのです。

 

記者B

広義の意味でそういう家庭で育つより育てられるよりは、児童相談所に保護されて育ったほうが、虐待ということで入ってくるのではないのかなと今の説明で思うのですけれども…。

 

南出

あなたそう思う?

 

記者B

ほんとうに何にもなくって、何かの勘違いで通報されたりして連れて行かれてしまうというお話だったと思うのですけれども。今のお話だと育てられない人の不幸をお聞きしているような家庭の子が拉致されているという、それがよくわからない。

 

南出

いや、そういう方向に何か運用が変わっていっているということを懸念していると言っているのです。わかりません? いや、だからこういう法制度、予算制度ならばいくらでもそういう方向にシフトしていって、いくらでも肥大化してきます。親子が、別れてでも暮らせていくというような社会がどんどんどんどんとできてこないかな、ということを懸念しているということです。

 

記者B

すいません先生、NPO、こちらの薬害センター、要望書とこのNPOでの活動がこのことにつながっているのですか?

 

内海

はい。僕はやっぱり薬害、僕は医師ですので。

今の西洋医学の薬は非常に被害は大きいということで、これはもう最近よくメディアでもでてくるお話だと思うのですけれども、その中で精神薬の薬づけとか、特に。結局この問題に私が携わったのは子どもが薬づけになっていると、その子どもに投薬されるようなまさに向精神薬とか代表されるものというのは国連でもぜんぜん効果ないし、非常にこんなものは投与してはいけないということが、どんどん通達されているお話であるにも関わらず、そういうことがされているからです。

その時に、「虐待」というものが非常に不分明でよくわからない。むしろ、つくられたりする構図がたくさんあって、そこで実際放り込まれて、管理目的のためだけに向精神薬が普通に入れられているということです。これのほうは、さっき言われたようにそのほうがよっぽど子どもに対する虐待そのものだ、というふうに私も思いますので、それがこの問題を取り組んだ最初の話だということになります。

あと、さっき通報の話をされていましたけれども例えば実際に事例としてありますけど、みなさんも例えばお子さんいっらっしゃる方ならわかるかもしれませんけれども、例えば、夜、夜泣きするとすごい元気な声で別に虐待をしているわけではないというケースがあったとして、それで夜泣きしてるとすると、今それだけで通報されています。あそこの家は虐待していると通報されているケースがあるんです。その時に、私たちは通報をあまり安易にするというシステム自体が問題だとは思っているには思っているのですが、それがいいと思うんだったら、私はそれでもね、日本人が全体コンセンサスあるんだったら構わないと思います。

ただ、その後に移譲されたりする法律的な問題、令状も何もいらない証拠もいらないし、適当に主観だけで決めることができますし、その後に、その拉致られたというか一時保護された後の処遇が、殺人事件の犯人とかともまったく違うわけです。親に権利はないんです、まったく。裁判しても全部資料は黒塗りで返ってきます。一切オープンにする必要はありません。さらに、面会も一切禁止です。殺人事件の犯人でも、きちんと証拠があって、裁判を経て、きちんと殺意とか認定されて、それで殺人事件ということを立証されて、また拘置所、ではないですねこの場合はなんですか、刑務所に入っても、そのあとでも家族は会いに行こうと思ったら手続き踏んだら会いに行けるわけです。

これが一切、児相の今のシステムでは認められていません。会えないんです。みなさんの子どもは、もし何かしら例えば今の例でいうと夜泣きして誰かに通報されてそれで「あなたの家が「虐待ですね」と通報されて、そのあと一時保護された後にその子どもと会うことはできませんし、子どもが投薬されていてもそれを拒絶することはできません。その後、ずっと児童養護施設に流されていきます。実際そのようになっています。それは何件運用されているかわからない、というのが実情なのです。僕たちが把握している限りでは千件ぐらいは余裕であります。

というふうなことは、これは海外でも国連でも非常に日本は人権侵害していると、子どもに対して人権侵害しているということで、すごく問題視されているわけで、そういうことを直視しないでいいんでしょうか?ということが、今回、これ(要望書)を出したことの主たる目的にもなると思います。午後も、もう少し大きな規模で記者会見しますけれども、そういうことで啓蒙していくという一番の理由になるかなと思いますけれども。

 

南出:

特に今年雑誌『社会学研究』という今年の10月号のこれはコピーですけれども。この中に「児童養護施設の職員の抱える向精神薬の投与への揺らぎとジレンマ」という吉田耕平氏の論文があります。

つまり、向精神薬をどんどん投与しているということの非常に問題点を指摘している論文もあります。これは氷山の一角で、こういうことを、やっぱりメディアの人は、親が虐待しようがしていまいが、少なくとも収容されている子どもはどう処遇をされているのかということを最大の関心ごとにしてもらいたいです。

子どもがどうすればその子どもが幸せ、福祉を増進することになるのかという視点にたってもらわないと。親が虐待したとか、してないとかこういう議論というのはちょっと置いておいてもらって、一番大きな問題は家族を再統合していくという方向に、児童相談所はまったくそれを反対の方向に行っているということが大問題です。やっぱり家族が一緒になりたい一緒に生活したいという気持ちを、その素朴な気持ちを、実現してあげるということに児童相談所がなければ、いったい何のための児童相談所なのか、というふうに素朴に疑問を感じています。

 

記者:

それでは、お時間となってまいりましたので、

 

南出、内海:

どうも、どうもありがとうございました。

 

(編集責:釣部人裕)

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