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裁判所をもバカにする児童相談所

児相

★裁判所をもバカにする児童相談所

南出 児相関係でこの松島さん以外で証拠保全が取れたっていうものはまったくない。逆に児相長会議の中でお触れが出ています。「証拠保全はあくまでも任意の提出なんだから、一切提出するな」と、松島さんのこの事件があって即そのお触れが出たんです。
内海 それ、医者のカルテより酷いじゃないですか。
松島 私の証拠保全が決定された一ヵ月後に、児相長会議のトップ、そのときの座長が、「先般とある児童相談所において証拠保全が行なわれ、そのときに手違いによって、いろいろな重要な書類を提示してしまった」といっている。そして、「いろんな弁護士等と法律の関係者と話し合った結果、応じる必要はないものと解する」として、だから「出すな」と通達文にして本当に書いてるんですよ。
内海 国民のためという建前からすれば、厚生労働省ってそういうものじゃないはずですよね、一応。
松島 でも厚生労働省って書いてないですよ。あれは児童相談所長会議ということになっています。
南出 児童相談所の所長が全国から集まって東京でやっているんだから、それは厚生労働省が関与してないとは絶対思えませんけどね。
松島 はい。厚労省の職員も絶対いたと思います。所長会議に厚労省の役人が付いてないわけがないですから。
南出 捜索押収までの権限はないけども、提出命令は強制です。「強制にも応じるな」「ウソを言ってでもスルーせよ」という違法行為を指示していることになる。
松島 児童相談所という組織が裁判所をもバカにしているんです。全然権限もないような行政の機関が裁判所のあんなものは聞かんでもいいんだと思っている。
内海 「ウソついておきゃいい」と言ってるようなもんですもんね。

★「いろいろと検討した結果、開示できないことになりました」

松島 ウチの執行の際に実は2箇所行ってんですよ。
南出  市児相と県児相。
松島 実は市児相のほうで出してもらった資料をずっとコピーしていたんですよ。うちらは県児相のほうに行ってる間に、ウチの家内たちが市児相から出て来た書類が八ヵ月分ごっそりデータが抜けてるってのに気づいた。うちらが県児相を終わって帰って行ったときに耳打ちされて、八ヵ月分全部抜けていて、どこ捜してもない。職員にないですかと言ってもムニャムニャ言ってると。だから、先生に言って、先生から裁判官に八ヵ月分が抜けてるんでと。裁判官から出せと、ないんですかと、なんで出さないんですかという意味で質問されたら、三人出て来て彼ら顔を見合わせた上に、最後に言った言葉が「うちの仕事はね、松島さんのところだけの仕事をやってるわけじゃない」。
内海 関係ないでしょう、それ。出さない理由になってないですよ。
松島 公務員が忙しくてできなかったってのは理由にならないはずなのに、堂々と裁判官の前で忙しくてそれまだ書類にできてないと言うんですから。
内海 だって、他の書類は出してますよね。
松島 「メモやなんかは出せないんですか」と言っても、結局は「出せません」と。結局、その場では一週間だけ期限をもらって、一週間後に提出するという約束をしたんですよ。それでその日は終わったんです。一週間後に南出先生の事務所に入って来た連絡では、「いろいろと検討した結果、開示できないことになりました」ということです。
内海 では裁判所では忙しいからと言った後に一週間で作りますと約束して、その挙げ句、電話連絡では結局開示できませんということになったわけですね。もうメチャクチャですね。
南出 だから、本当なら裁判官もその場で対応しないといけないわけ。未整理のものでも、一つずつ調べ上げて、必要なものをピックアップするということもできるんだけど、言わばもう一日違いみたいな。朝から執務時間内で終わらさないといけないわけやから、ある程度のものが開示できたら、裁判官も潮時やなというのがある。録音したテープも全然出てこない。
松島 出てないですね。出てないどころか開示しようとしても出てこないんですよ。散々カセットテープはあるだろうと要求したら、「捨てちゃいました」って。まだ裁判中ですよ。今まだずっと継続してるんですよ。にもかかわらず、向こうは「捨てちゃって、ない」なんてことを平然と言うんです。
南出 「たくさん事件があるので、捨ててしまって、もうない」なんて言い訳されたら、実際の裁判実務の証拠保全の執行としては、不可能に近いことやね。現場で待機するという対応には限界がある。裁判官がコピーするわけじゃないんだから。
松島 書記官も全部見て。
南出 だけど、書記官は全部それをして間違いないと、要するに証拠保全の調書を添付しないといかんからね。こういうものが開示されたということの証拠保全の調書、執行調書。それに検証調整ですけど全部添付して、裁判所に当事者申請を申し立てて、われわれがもらうと、そういう迂遠な方法なんですよ。書記官の責任、裁判所の責任として一枚ずつ乱丁、落丁がないようにコピーがきちっと録られているかという確認をして、その都度作業をしてるから膨大な時間がかかります。そこであれがないこれがないと言われたら、時間的な制約からあり得ないみたいな。
松島 なにしろ9時に抜き打ちで入りますよね。うちらは裁判官と話し合って行きますけど、向こう知らないわけですよ。いきなりドッと行って入るからねって。で、9時に着いて、さぁやるから書類出してらっしゃいって言ってから、児相が出して来るのに50分かかってますからね。

★児相を改革するために

内海 とんでもない話ばっかり出てきて、聞いている限り、児童相談所はなくなったほうがいいなとしか思えません。多分現実的に今すぐというのは難しいと思うんです。とりあえず法律上の問題とか、システム的な問題とか、早く手を着けられるような対策はどんなものがあるのでしょうか。
南出 これは制度的な大きな欠陥があるから、大上段からの言い方をせざるを得ません。ただ少なくとも一歩前進させるような方向を考えようとしたら、それこそ児童福祉法の改正から児虐法の改正、廃止までを含めて検討しなければならない。
 それからそもそも個人情報保護法の名の下に、子どもに関する情報が開示されない。家庭再統合のための子どもの情報を教えてほしいと言ってるのに、それがプライバシーの侵害とか個人情報保護を理由に受け付けない。
内海 法律が弱い者の味方ではなく、強い者の味方になってますからね。
南出 自分の情報、自己情報も開示できない、そういう状況になっているわけです。
 しかし、法改正というのは物凄く難しいことで、だから酷な言い方になりますが、松島さんの子どもはすぐ帰って来ないよということを言わざるを得ません。
 私が受任するということは、児相や厚生労働省は私を目の敵にしてやってくるから、帰って来る子どもも帰ってこないかもしれないよ、と言っています。極端に言うと、罰金で済む事件が死刑になるかもしれないよ、と。
 だからそういうリアクションまでを覚悟して、子どもが帰って来たときに、親はここまでやってきたよ、こういう足跡で苦労して来んだぞと子どもたちに言えるようになってほしい。そうした親の務めを果たすという覚悟がない限り、私のほうでは受任できないと言っています。なんでそこまでの覚悟を求めるのかというと、今の法制度の壁がどんどん高くなっていて、いきなり改善ということはできない。
 それに、この問題について理解している人というのは地方議員の中にごく少数いるくらで、世間的にもほぼ理解されていない。当然、マスコミもまったく報道しない。
 マスコミの言い分としては、児相を批判すると児相側が萎縮してしまって、本当に重大な虐待案件を見逃してしまうことになると主張します。
 重大な虐待行為なんて本来は警察の案件として扱うべきところを、児相にやらすような風潮をメディアが誘導している。そうではなく、どういう案件は警察で、どういう案件は児相なのかというようなことをテーマにしなくてはいけないのに、ただただ「児相頑張れ」という主張だけでしょう。そして、結局児相のやっていることはいいことだという、児相性善説で報道していくわけ。
内海 そうした構造は精神医学にも同じことがいえます。

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