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妙に作られた「虐待」なる概念

家族5

★巧児童相談所

南出 私は今この問題で、一番大きな問題は虐待という言葉が一人歩きしていることだと思います。
「許された有形力の行使」と「許されない有形力の行使」があって、「許された有形力の行使」のことを「体罰」と言うんですよ。これは進歩を目的とする有形力の行使です。
 反対に、目的にしているものがまったくない、単なる暴力・暴行脅迫といった「許されない有形力の行使」がある。これはもちろんあってはいけない。
 この「許された有形力の行使」と「許されない有形力の行使」のあいだに「虐待」なる概念を作り出してしまって、本来は「許された有形力の行使」であるはずの体罰まで取り込んで、「虐待」の範囲がどんどん膨らんでいる。今となっては体罰イコール虐待と言ってるわけ。この犯罪事件も虐待だし、この体罰も虐待。味噌もクソも全部、虐待というカテゴリーにまとめてしまって、なんでも虐待、虐待、虐待。もちろん児虐法の虐待なんかも、それが拡張して一人歩きしている。そういう状況なんですよ。
松島 基本的に虐待といったら、刑法で言うところの暴行罪であったり傷害罪であったり、もう十分犯罪ですから。
南出 だからそんなことは児虐法に書かないで、「許されない(正当行為のない)有形力の行使」は注意規定で刑事罰に処するということにすればいいんです。あんな児虐法というものを作ること自体がそもそも玉虫色で、正当な行為ですら違法行為として取り込むことを目的としているんです。
 家庭にもいろいろな問題を抱えていて、親も不安で児相に相談しに行く。友好的に好意的に児相に相談した人が、児相からすると、一番の「お客さん」になるわけ。その裾野を広げていって、反旗を翻したら全部「一時保護」している。
 虐待相談窓口で来るものというのはなかなか捕捉しない。実際、自分のところの窓口に来てくれたほうが、身柄を確保しやすいからです。だから気軽に児相に相談しなさいと方向付けて一時保護案件をどんどん増やしていっている。
内海 これも精神医学とまったく同じです。専門の看板立てて、それに引っかかってくるのを待っているという。まったく同じ構図ですよね。
 日本人は今、非常に大人しい人が多いから、虐待とかそういうものが多くなるとは思いずらいんですけど。
松島 「虐待とは何であるか?」を、私との間の裁判資料でも、児相側は説明しています。
 それを見ていくと、幼い子どもがお受験で夜中まで受験勉強と称して、今日は何ページまでってビシビシやられているとすると、それも虐待に入っちゃうんですよ。
 たとえばオリンピックや国際大会に出るためとかで、小さな頃から朝早く起こされて、学校を終えて早く帰って来て、毎日毎日訓練をしている子どもがいます。テレビのインタビュアーが「お父さん、怖い?」と言ったら「うん、怖いし、練習はつらい」。これは児相からすれば、間違いなく虐待といわれます。
内海 頬を叩かれますしね。
松島 場合によっては殴られたりもしているんですよ。アザができているのをテレビが堂々と放送している。だったら、あれを児相は保護しないんですか、という話。スポーツだったらOKみたいなのがあるんですね。このあたりも全部矛盾しているんですよ。

★児童相談所との「虐待」論争

南出 私は、戸塚さんのヨットスクールで児童相談所の職員と出くわしたことがある。向こうが虐待通報があったから来たというんで、そのときに論争しました。
 虐待と体罰の違いどこにあるのかと、あるいは正当行為との違いどこにあるのかと言っても答えないわけ。答えられないような人間が、よく一時保護の要請なんてやっているなと言った。
 それで、逆に質問しました。たとえば子どもが熱を出して病院に担がれて来たときに、医者が診察しながら、体を親が押さえて無理に子どものノドを開けて診察したら、これは虐待になるのか、と。そしたらグチグチと要領を得ないことを言って質問に答えない。
 子どもの立場に立ってイヤなことは虐待と言うなら、その医療行為も全部虐待になる。
内海 そういうことですね。
南出 教育の現場でのそういうふうな有形力の行使もすべて虐待と言うのなら、もう医療行為も虐待にあたります。児虐法には別に「医療行為は除く」とか書いていないから。
松島 嫌がる、泣き叫ぶ子どもを押さえつけて注射を打たす。予防接種ってそんなもんですよね。注射の好きな子どもなんていないから、どうしても嫌がって動いちゃう。
南出 通常の問診で聴診器を当てるとかでも、子どもが泣き叫んでも親が羽交い締めにして、医者がちゃんと診察できるような体勢を取ったら、親と医者が共謀して虐待したということになりかねない。これは笑いごとじゃなくて、そういったことになります。
内海 ちょうど予防接種の話が出ましたので補足しますが、今、アメリカなんか特にそうですけど、子宮頸がんワクチンなんかもワクチンによって不妊になってしまうとか、ワクチン自体がいろいろと問題視されていますけど、あれを拒否したら、アメリカの場合、本当に医療ネグレクトで捕まるんですよね。
松島 へぇ~。
内海 本当にそうなっています。それがもう日本で同じようなシステムとか考え方もどんどん普及しつつあるわけで、本当に違う国の話でもなんでもない。「ワクチンを打たなかっただろう」と言って、児童相談所が現れる時代が、もうそこまで来ているのかもしれません。
南出 育児の中に医療行為を含むから、ワクチン拒否はもう育児放棄になる。そんなややこしいワクチンも打ちたくないと思って拒否するという教育方針は一切認められない。そういう時代になりつつあるよ。そうやったら、たとえば体育の授業でグランド何周か回らせてパタンと炎天下に倒れたら、これ全部立件していかなあかん。
松島 でもなんか、法律からすごく曖昧ですよね。やっぱり正当行為と不当行為とだとその医療行為を除くだとか、ちゃんとした定義がないから。
南出 だから正当行為がないと書いてないからできるという、逆転の発想で児相がやっている。つまり体罰イコール虐待イコール犯罪という図式でいるわけだから、もう話になりません。

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