「児童相談所の怖い話~あなたの子供を狩りに来る」の一章から。思えばこの本を書いたときほど泣いた時はなかった。昔は作家が自分の作品を見て泣くことがあったそうだが、今になればそれも理解できる。それでは、児童相談所が子どもを保護(という名の拉致)した一つのケースを見てみることにしよう。
母親がGちゃん【何歳?】を抱いて階段を降りていた際、足を滑らせて階段から転落しまった。母親は打撲を負い、Gちゃんは手を骨折してしまった。Gちゃんを心配した母親は、自分の怪我の手当もそこそこにして、慌てて病院にGちゃんを連れて行ったところ、Gちゃんを診察した医師が「母親の虐待のせいでGちゃんが骨折した疑いがある」として児童相談所に通報してしまった。
通報を受けた児童相談所は慌てて通報した病院に駆けつけると、母親からの事情聴取をすることもなく、Gちゃんを緊急一時保護と称して連れ去った。その後、母親はGちゃんの怪我の本当の原因を何度も説明したが、どんなに母親が事実を説明しても、児童相談所は母親の言い分を一切聞かず、「自分の虐待を認めない、自覚のない虐待親」と決めつけた。さらに児童相談所は「お母さんが自分の虐待を認めないなら今後、子どもさんとは会わすことはできない」と脅迫を行なったため、母親は「自分が虐待を否定している限り子どもは返してもらえない」と判断し、子どもを返してもらうためだけに自分が行なってもいない虐待を認めることにした。そして児童相談所には一切逆らわず、従順に従うことにした。 形式的とはいえ母親が虐待を認めてからというもの児童相談所職員は、母親に対して「お前は虐待親だ」と何度も言い聞かせ、母親が少しでも自分の主張をしたり、疑問点について質問したりすると、「そういうことを言うのは反省がうかがえない」と睨み付けた。母親は職員の態度に不信感を募らせたが、徹底的に従順な母親を演じることを貫き通した。 すると6カ月後になんとか子どもを返してもらうことができた。しかし現在も、また子どもが児童相談所に事実無根の虐待通報をされて、連れされられてしまうかわからないという不安に脅えて暮らしている。このケースでは母親は子どもに対していかなる体罰も与えていない。「児童虐待がある」という一方的な通報だけで、ここまでのことが行なわれている。そして、児童相談所に従順に従ってなお、子どもが帰ってくるまでには6カ月もの時間を要している。冤罪を認めて従順でなければ、この母親は子どもが成人するまっでこの子に会うことはできない。
これは読者全員にいつ訪れてもおかしくない悲劇である。
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